基礎体温コントロールとは
ホルモンや酵素といったものは、温度によって活性します。
例えばP4は温度中枢を刺激し、基礎体温を上げますが、
何かしらの問題で基礎体温の上昇が不十分だとP4活性が不十分になり、
それが更なる黄体期の短縮化などを引き起こします。
基礎体温が二層なのは、各ホルモンが活性しやすくするのと同時に各期の機能を高めるためです。
基礎体温コントロールとは、山田光敏先生が基礎体温とホルモンの活性関係に着目し、
基礎体温を人為的にコントロールして、ホルモン活性を補助したり各期の機能を高めるのを目的として
開発した妊娠を促すための補助療法です。
基礎体温とは
安静にしたときの状態で測定した体温のことです。
基礎体温は外環境、女性機能、ストレス、ホルモン剤といった要素の影響を受けます。
女性はこの基礎体温を整えることで妊娠を促しやすくなり、
整った基礎体温が3カ月以上続くと妊娠しやすくなります。
基礎体温の測り方
測り方は、
- なるべく毎日、同じ時間に就寝して起床するように心がける
- 就寝後4時間以上経ってから測る
- 婦人体温計を用いて口中温を測ります
- 記録は薬局で売られている、基礎体温の記録ノートを使用
(ネットでダウンロードすると連続した周期の比較が大変なのでお勧めしません)
基礎体温とホルモン
卵胞期 | 生理1日目から、卵胞期に入り、脳下垂体から分泌されるFSHの作用で数個の卵胞が成長を始めます。子宮内膜は、その成長している卵胞から分泌されるE2によって、徐々に増殖しています。 |
---|---|
排卵期 | E2がある量に達するとFSHが減少し、急激にLHが分泌されます。それをLHサージといいます。サージが起こって約16時間で排卵します。 |
黄体期 | 排卵したぬけがらの卵胞は見た目にも黄色の黄体にかわり、P4によって体温が上昇し、子宮内膜もさらに重厚でソフトにします。 |
生理 | 生理とは、P4は2週間で分泌が終わり、子宮内膜ははがれ、血液と一緒に子宮口から膣へ、膣から外部へと排出されることです。 |
基礎体温の基準値
通常、妊娠を希望される方の場合、次の範囲内に入っていると妊娠しやすいようです。
卵胞期…36.10°~36.55°
黄体期…36.60°~37.05°
また、卵胞期と黄体期のトレンド比較として0.3~0.5°位の差が好ましいと考えています。
基礎体温をコントロールするために必要なことは、
- 生活リズムを整える
- 適正な体重
- 運動量のコントロール
- 食生活の見直し
- ストレス対策
- 外環境の安定(寝具内環境の安定も含めます)
などを複合的に行います。
これらは、実際に患者様の基礎体温表やホルモン値、治療の内容、
そしておからだの状態を総合的に勘案して個別に指導していきます。
基礎体温コントロールの実例はこちら⇒